40後半から現役復帰!牛むつみのモーモー日記

1969年生まれで2000年に全日本シクロクロス選手権チャンピオン、その後に現役引退してから約10年。44歳から現役復帰した須藤むつみのBBA底力をお見せします!

お休み、映画からのブラック毒演会

どもです。

今日は練習お休み。昼過ぎから快楽亭ブラック師匠の毒演会があるので伺うのだ。

しかし、今日は昼間に気温が37℃まで上がる予報。ちょうど移動時間に最高気温になっちゃうらしいし、さて、どうしようか。

調べたら錦糸町TOHOで朝から映画「国宝」の上映があるのを見つけた。コレならば朝の涼しいうちに都内へ行けるし、映画館は涼しい( ^ω^ )ヨシ!

ちょうどスドーマンが朝練で早起きするから、一緒に起きて支度して出発。錦糸町に朝8時到着し、朝イチ上映に間に合いました!上映時間が約3時間の作品なので、ポップコーンのセットを買い込み朝ご飯代わりにw

始まりは終戦直後の長崎。地元の任侠組が新年祝いの座敷を開く中、歌舞伎役者の花井半二郎が挨拶で顔を出す。その余興に組長の息子が女形で登場するのだが、素人らしからぬ芸に何かを見い出す花井。しかし華やかな祝いの席に、敵対組の出入りで組長は息子の目の前で斬殺。生き残った組長の息子・喜久雄は身寄りを亡くし、縁あって歌舞伎の花井家に引き取られる。花井半二郎には一人息子の俊介がいて、しかも喜久雄と同い年。お互いに女形として半二郎から厳しい稽古を受けながら切磋琢磨し成長するが、かたや歌舞伎の直系男子、かたや極道の倅。血の繋がりを信じる俊介、一方で芸に手応えを感じている喜久雄は一心不乱に芸を磨いていく。そして花井の二人女形は高い評判となる。

ある日、事故で主演の舞台に穴を開けそうになった半二郎は、なんと代演に息子の俊介でなく喜久雄を指名。演じた舞台「曾根崎心中」の花魁の素晴らしさを目の当たりにした俊介は、喜久雄の恋人に手を取られて失踪。跡取りが居なくなった花井家は喜久雄が名跡を襲名することとなるが、その披露の席で半二郎が急死。その状況から失踪していた俊介が花井家に戻り、後ろ盾を無くした喜久雄はスキャンダルもあり、歌舞伎界から追い出される。

様々な宴席で踊り繋いで数年、その日暮らしをしていた喜久雄は歌舞伎興行主に救われ歌舞伎界に戻るも部屋子扱いで、役名の付かない出番を重ねるしかない。そんな日々から葛藤のあった俊介から助けを求められ、その舞台は因縁となった他ならぬ「曾根崎心中」。花魁を俊介が演じ、恋人を喜久雄が受けるように演じるが、その俊介は病魔に蝕まれて、まもなく生涯を終える。

そして現在。2014年に人間国宝となり、その記念興行を前にインタビューを受ける喜久雄。その演目「鷺娘」を、花吹雪が舞う中で演じるうちに、幼い頃の雪が舞う風景を思い出す。祝いの席で父を斬られた日も、美しい雪が舞い降っていた。あの時から、ここまで来て辿り着く中で、どれだけの人の手を取り、振り切りながら生きてきたのか。そして結局は一人。究極を求めることは、なんと孤独であることなのだろう。

この運命の2人を、様々な歌舞伎の演目で彩っていく。道成寺や藤娘は艶やかで素晴らしい演技だ。しかし、喜久雄の芸を認めつつも業も見切っていた田中泯の万菊による鷺娘が素晴らしかった。何より舞い上がる気が凄かったのだ。

思い当たるのは、大野一雄さんの舞踏。喜久雄は素晴らしい芸を持っていたが、唯一「血」が無かった。だから血のしがらみに翻弄される。しかし血のしがらみから放たれたならば。その瞬間がラストの喜久雄に繋がるのだが、そのキッカケは万菊の鷺娘なのかなあ、と。万菊の鷺娘でも雪は舞い降ったが、気と魂は舞い上がっていたのだ。

ここからはボヤキ。実は映画が始まると観るのに集中してしまうので、早めに着席して食べ飲みをしてから鑑賞開始。心配していたトイレは問題なかったんですが、やっぱ出来れば途中のインターミッション=休憩があればなあ。

というのも始まりが終戦直後、ラストは2014年で2人の主人公の立場が何度も入れ替わるし、原作の長さを考えたら3時間かかるのは分からなくはない。展開的に途中で冷ます必要はないけど、暑苦しいケレン味がないんだよなあ。まあ、日本のいちばん長い日も3時間近いけど、休憩無しだったから仕方ないのかw

錦糸町から上野の下谷神社へ。こちらで定例のブラック師匠の毒演会。今日は数十年ぶりに演じる演目があるとの前評判もあり、なんと満席!お暑い中ありがとうございます!

最初の二席は、まあ肩慣らしな感じではありました<特に二席目は演目名が書けないので、ご勘弁くださいませw

しかし中入り前の御神酒徳利、更にトリの「俺だって砂の器」が凄かった!出だしからビックリw からの人種差別によるイジメから一念発起して噺家の道を邁進する姿は、ブラック師匠そのもの。天性の芸人は己の全てもネタにするのだ!その覚悟を改めて拝見しスタンディングオベーションとなりました( ^ω^ )素晴らしい!

会の打ち上げは、そんな師匠を囲んで賑やかに。そんな落語界の極北の国宝でもある、快楽亭ブラック師匠の生き様を追ったドキュメンタリー映画「落語家の業」は、まもなく12月から公開!あ、業は血の繋がりから放たれたからか!やっぱり芸を極める師匠は違う、スゴイ!

でわでわ。