40後半から現役復帰!牛むつみのモーモー日記

1969年生まれで2000年に全日本シクロクロス選手権チャンピオン、その後に現役引退してから約10年。44歳から現役復帰した須藤むつみのBBA底力をお見せします!

第30回全日本マウンテンバイク選手権大会・富士見パノラマ女子チャレンジ:レースレポート

どもです。

「第30回全日本マウンテンバイク選手権大会@富士見パノラマ」女子チャレンジのレースレポートをば。

今回もたくさんのご声援をいただき、誠にありがとうございます!末尾に結構、いろいろと想いを書かせていただきました。よろしければ最後まで読んでいただけると幸いです。すいません。

素敵な写真を撮影いただきました、アベマさんことMasakazu Abe様、そしてイトーさんことSumpu様、シミズ園長様、ありがとうございました!!

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・大会名 第30回全日本マウンテンバイク選手権大会
・日時 2017年7月23日(日)  
・会場 長野県富士見町・富士見パノラマリゾート
・気温 26度ぐらい
・コース状況 小雨でウエット
・距離 4.46km×1周回
・リザルト(順位・タイム・タイム差他) 2位・24:41:27・44秒差

・前日の就寝時刻:夜10時
・起床時刻:朝6時
・レーススタート時刻:朝8時30分

・ウォームアップ開始時刻とその内容:7時に会場に到着できたのと、前日に夕方から大雨が降ってコースのコンディションが前

の日と大幅に変わっていたので、コース試走をアップ代わりに1周回だけ。その際にコース終盤の大したことのないキャンバー

間で引っくり返って落車。運よく擦り傷程度で済んだがドロドロの状態のままスタートすることにw

・レース目標:優勝、最悪でも昇格対象となる2位には入ること。

・レース戦略:最初から登りでどんどん前に、下りは気を付けること。何より怪我しない!

・戦略上で注意すべき選手:DHエリートの安福 範子選手がエントリーしているので、下りで焦らないように。

・レース前の食事(内容と戦略) :朝ごはんは朝6時にオニギリといなりずし、飲むヨーグルト。

・スタート時の覚醒水準(集中力) :かなり良かったが、コース試走で落車して身体が痛かった。

・スタート前に使用したマッサージオイルやサプリメントなど:コース試走後にスタート10分前、アスリチューンの赤1番(エナゲイン)を摂取。

・レース中の補給内容:いちおうボトルに水、そして補給用にアスリチューンのポケットエナジーを用意したが、時間の短いレースだったので、どちらも摂取せず。
 
・レース後に摂取したサプリメントなど:ゴール直後に水とともにアスリチューンの青2番(スピードキュア)を摂取。前回はコレが腰の疲れにも効いたようなので今回も素早く摂取した。やはり帰りの車移動とか、翌日の疲れの残りが少なくて良いのです!!

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Photo:masakazu abe

・レースの内容を簡潔に:
スタートは朝8時半、本日の全日本選手権レースの中では朝いちばんのユニットでスタートとなる。同時にスタートするのは男子チャレンジと私たち女子チャレンジ、それに全日本タイトル対象となる女子ユースとなる。男子チャレンジと女子ユースは2周回、女子チャレンジは1周のレース。女子ユースには小林 可奈子選手の娘さんである小林あか里選手、そしてロードでも活躍する渡部 春雅選手の2名、女子チャレンジはDHエリートの選手でもある安福 範子選手(ACCEL)、そして武石 旭代選手GIANT港北)の3名。

前回のCJ田沢湖ではチャレンジで優勝できたがエリート昇格を見送ったので、今回は最悪でも2位に入らないと予定していたエリート昇格できない!と、気合の入った状況で朝、コース試走したら、雨でツルツルになっていたキャンバーで落車して軽いものの擦過傷を負ったままスタートとなってしまう。昨日昼まではパサパサで土煙が出るほどの完全ドライだったのに、夕方に降った土砂降りで、ちょうどパサパサ部分が流されてツルツル路面が表面にコンニチワしてしまった状態になって滑りやすくなってしまったようだ。むーん。

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Photo:Sumpu photo

スタート前に怪我周辺の泥を洗い流すか考えていたが、洗うと浸みてしまい痛みが出るのが怖かったし時間がなくて処置するとスタートに間に合わないことと、擦り傷になった箇所が運よくアームカバーとビブパンツでカバーされていたので、そのままでGOしてしまうことに(傷はゴール後に丁寧に洗い流して処置したので大丈夫でした)。

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Photo:Sumpu photo

まず先に男子のチャレンジがスタートし、その2分後に女子のチャレンジとユースが同時にスタート。勢いよくユースの小林選手と渡部選手が飛び出していき、その後ろを女子チャレンジの3名がついて行くような状況に。

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Photo:masakazu abe

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Photo:masakazu abe

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Photo:Sumpu photo

しかもスタート直後からしばらく続くスキー場のゲレンデを利用した登り区間で、みるみるうちにユースの2名が先に行って置いて行かれる。それでも下り区間に入るところまでは先頭で行かないとヤバイので何とか先頭で登っていくが、意外と2名の選手が離れていかない。困った。

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Photo:Sumpu photo

ゲレンデの登坂区間を終えて、少し下ると岩のダート区間を経てシングルセクションの下りとなる。この岩のダートの箇所は前日のコース試走で何度も走って乗っていけなかったので、素早く降りて押しでクリア。しかし、その後の下り入口でスっ転んでしまい武石選手に抜かれる。その後の下りの続く箇所で安福選手に「どいて!」を怒られるほどノロイ走りで下りを行って、とうとう安福選手にも抜かれて最下位に落ちる。なにやってんだか・・・最悪!

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Photo:Sumpu photo

異常なぐらいに下りで慌てているのが分かる。ウエットで滑りやすかったこともあって肩にチカラがバリバリ入ってしまっているのも分かる。つくばの下りでは雨上がりでも下れるようになったのに!やはり入るスピードというかレースモードとは、練習と違うのだ。アドレナリンはバシバシ出ているのに、下りの区間でドロドロ漏れている感覚。ああああ、本当にどうしよう!!

シングル下りを終えて、駐車場の舗装路Uターンからのシングル登りに入ってから相当に意識してアタマを切り替えた。腰の状態は大丈夫だし、前日の試走でスドーマンとゆっくり走りながらラインの確認をしていたからだ。最初にコッチ、次にコッチ、滑りやすい木の根のターンはココを、とトレースするように走るうちに安福選手を捕えて抜く。更に武石選手の姿も見えてきた!

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Photo:Sumpu photo

その後のシングル下りでは、相変わらずのトッチラカリ走行で泣きそうになるものの安福選手の気配を後ろに感じない。よしよし、この後のゲレンデ登りでスロットを上げていきましょうか!と、コースの標高最高地点に向かう登りでグイグイ走っていく。武石選手との差を測ってみる、うん、30秒ぐらいの差まで行ったぞ!出来れば下り区間に入るまでに捕えてしまいたい!いっちょやったるか!!

しかし、そうは問屋が卸さない。ゲレンデの登りはシングル区間よりもお互いの位置が分かってしまうので、追い出した私の殺気をモロに感じて武石選手も頑張って登って行き、残念ながら下り区間の前までに捕えることは出来ず。下りに入ると落ち着いて走る武石選手、一方で「ぎゃーーーー!!」と富士見パノラマの山間に叫び声を木霊させながら下る私。これで、悲しいかな結果は見えてしまった。

コース終盤の、朝のコース試走でスっ転んだキャンバーは安全策をとって押しでクリア、それもあって大きなタイムロスをせずにゴールまで走れた。先頭とは44秒差、やはりゲレンデの登りでもっといければ。しかし、それ以前に下りがダメダメすぎるので、もっと精進しなくてはいけない。一方で丸太連続のセクションとか、かなり危ないから乗車だとダメかも?と思った箇所も乗車で行けたりして、少しだけだが20年前よりは走れたかも?と思ったりもした。

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Photo:masakazu abe

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Photo:masakazu abe

先週のCJ田沢湖と、今回のCJ富士見と2戦連続でMTBクロスカントリーレースに参戦した。約20年ぶりのMTBレースということもあり、MTBマシンはスドーマンから借りた2006シーズン最新モデルであったフルサスペンションの26インチバイクを準備してもらい春先から練習していたが、20年前の機材だったら、もっと走れなかったであろうセクションも乗車でいけるし機材の進化は素晴らしい!!それで、これが今の最新機材だったら、どうなるのか?というと、私の技術がそれ以前の状況でもあるので、今の機材でしっかりと練習してレース参戦を重ねて再考したいと思う。確かに機材の進化も追っていきたいが、何よりも走りをコントロールするのは自分自身。それが精進できていなければ、最新機材も豚に真珠になってしまうから(牛だと、牛に何だろうwww)。

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Photo:masakazu abe

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・レース後の痛み・違和感・機材などの不具合:スタート直前のコース試走で落車に怪我をしてしまったが、運よくどこもぶつけずにツルーっと滑っただけで済んだ。更に小雨だったのでR×Lアームウォーマーを装着していたおかげで大きな擦り傷にならなくて済んだ。太ももの箇所もチャンピオンシステムのジャージで守られて軽い擦過傷で済んだ。ジャージも破れず良かった。

先々週から悩まされていた腰痛、というか腰箇所の筋肉痛だが、やぎ整骨院の八木沼トレーナーにキッチリと施術していただいたおかげで先週から軽減し、今回のレースでは長い登坂箇所が心配だったが腰が痛くならなかった。そのため前半部はスロットルがかかりきれなかったが、後半のシングル登りやゲレンデ急登りで脚が温まったこともあり思い切ってグイグイ踏めたのは良かった。あとはストレッチを引き続き!と体操も持続しておこなう。

・今回のレースで準備が足りなかったと思われる点(トレーニング、体調管理、機材、その他):
足りないのではなく、足して良かったものを。

R×Lアームウォーマーは、前回の田沢湖MTBで使用感が良かったので、今回は肌寒かったこともありレース中も装着、やはり狙い通りフィットして良かったこともあるが、更に素肌よりも一番、布があるだけでも擦過傷を小さくできるメリットもあるので、MTBレースのようなオフロードレースなど、転倒のリスクは高い時には、このような装着感の軽い防具的なアイテムが有効なのかも?と思った次第。

・上記の内容から今後のトレーニング内容を簡潔に。またその内容をいつまでにどれだけ実行するか:

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Photo:masakazu abe

先週のCJ田沢湖と今回のCJ富士見2戦ともに大きな怪我なくレースを走ることが出来て、チャレンジからの昇格条件もクリアしました。これで約20年ぶりに女子エリートとして、次回のCJ・MTBレースシリーズにおいて参戦することとなります。元々がMTBから自転車レースの世界に入ったので、1997年のMTBレース転戦を最後にMTBから離れたときは「もう、2度とMTBレースに参加することはないだろう」と考えていましたが、まさか2012年からの現役復活の中で、まずはロード、次にシクロクロス、そして今回はMTB参戦、と以前の現役とは丁度、逆の順番でレース種目に参戦しているの不思議な感覚です。

私は以前の現役生活で、シクロクロスでは2000年に全日本タイトルを獲得しているので、この現役復活の際にはロードで全日本選手権の完走とジャパンカップでの入賞(実は以前の現役では完走実績なし)、MTBでは公式戦で表彰台(こちらも以前の現役時代には達成できず)、を目標にしています。そのうち、ロードの全日本選手権の完走は2015年栃木県・那須大会で達成できましたが、ジャパンカップでは完走できたものの入賞は出来てません。ジャパンカップについては女子オープンレースのジャッジ問題が未だ解決されず、今後も解決の様子が見られるまでは出場を見送るため、あとはMTBレースでの目標達成に向かって精進をします。そして、それがシクロクロスの更なる精進にも繋がると考えております。

この日は、女子エリートにおいて小林 可奈子選手が優勝し18年ぶりに全日本タイトルを獲得しました。女子ユースで愛娘・あか里選手がタイトル獲得し見事な親子タイトル獲得!表彰式では「若い選手が出てきた私に出来ることは、ずっと現役で走り続けること。死ぬまで現役宣言をします」と素晴らしいコメントをしておりました。

昔、アトランタ五輪の選考会(オニコウベ開催だった記憶が・・・)で、そんな小林選手が優勝し、日本代表選手として世界と戦っているとき、一方で私は同じ選考会で最終完走者の10番手でゴールしてました。その後もロクに成績を上げることが出来ず、シクロクロスに参戦しても第1回の全日本選手権ではビリ。オランダに次々点で運よくレース遠征したのに、現地で「おまえには自転車のセンスも才能もない。体型にも恵まれてないから強くなるのは無理だろう」とスバリ言われて、帰国したら自転車活動を一切、止めようと思いました。

その後、たまたま書いたオランダ遠征のレポートを月刊サイクルスポーツに採用いただき掲載されました。さらに遠征を漫画に描いて本を個人誌にして販売、その売上を基にニュージーランドへステージロードレース参戦した際にもトラブルを起こして迷惑をかけてしまいましたが、大会主催がレース後に「もっともっと練習して強くなって、またレースに参加しなさい。待っているから」と言ってくれて、この時から「今は私が参戦するとしても、次回以降からは日本にいる強い女子選手たちをどんどん参戦させて、日本女子選手を世界に羽ばたかせる仕組みを作ろう!」と目標を定めました。以降、女子ロードチーム海外遠征活動を重ねて、今のRGJチーム発足へとつながります。

このニュージーランド遠征以降の私個人の選手活動は「これからの日本女子選手たち強化・育成のための足掛かり作り」となり、しばらくは自分自身の走りについて精度を上げることは二の次になっており、MTBでもロードでもシクロクロスでも中途半端な成績しか持っていない選手になっていました。しかし、ある時、某氏より「志は立派だと思うけど、やっていることや言っていることを着実に進めるなら、何かタイトルを持っていないと半端な選手として扱われて、ロクに話も聞いてもらえないよ」と言われ、その日から一番好きなシクロクロスの全日本タイトル獲得を目指すこととなりました。

やれることは何でもやりました。ドーピングはもちろんしてませんがw ダイエットと身体の作り直しのために長野県松本にトレーナーをお願いしたり、レースの取り組み方も大幅に見直して機材の研究もしました。途中で所属していた実業団チームを離れることとなったので、自分でチームVOLCAを設立し資金が足りなくなり、アルバイトを辞めてフルタイムワーカーとなりました。それでも「中途半端は嫌だ、絶対にタイトルを取るんだ!」の一念だけでした。

2000年に第6回全日本シクロクロス選手権のスタートに立った時は「死ぬ覚悟」というか「これで取れなかったら、チームVOLCAも失うし、今後は自分も走っていられない。全てを失うだろう」と覚悟しました。レース途中で苦しかったときには「私は脚が千切れて、この後1ミリも走れなくなってもいいから、優勝してタイトルだけは取らせてくれ!!」と祈りました。何とか獲得できたときは嬉しいよりも、「これで、とにかくチームは続けられる!」と、ホッとしたことを今でも覚えています。

シクロクロスの神様は、私に「才能もセンスもないオマエに、特別に全日本のタイトルは取らせてやったから、これからはシクロクロス、自転車のために頑張ってくれよー」と言われたと思っています。そして、この全日本タイトル獲得までの経験は、私が10年ぶりに現役復帰したときには大きなヒントとなりました。

若い選手をはじめとして、未来の広がっている女子選手が「更に上を目指して強くなりたい」を願うのであれば、私は今後もチカラを尽くします。ただし今後も中途半端は絶対に許しません。覚悟をもってトライしてください。そして最低限、まずは私よりは強くなってください。そのために私は覚悟をして精進をしているのですから。

※レースレポは以上です。

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女子チャレンジレースを無事に終えて、次のユニットで男子アドバンス出場のスドーマンを応援!

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Photo:masakazu abe

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Photo:masakazu abe

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Photo:masakazu abe

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スドーマン、かっこいい!!この写真の撮影は私なのでブレブレwww

今回はシクロクロスでお馴染みのアベマさんやマキさん、コガネイさんや、みゆき選手などなど、嬉しいメンツが揃って嬉しい!!

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どっひゃぁぁぁ!!www(Photo:masakazu abe)

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コレ多分、私のMTBバイクが昔の仕様なのでハンドル幅が狭いんですよー!でもちょっと前まではバーエンドも付いていたんですよー!と話していたとこwww(Photo:masakazu abe)

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男子エリートのスタート、速い速い!!

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男子エリート表彰式、タイトルを守ったもの、そして狙って逃したものの想いを噛みしめる。

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女子エリート表彰式、可奈子さんのコメント良かった!

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これからも自転車バカ夫婦をヨロシクですwwww(Photo:シミズ園長)

でわでわ。