40後半から現役復帰!牛むつみのモーモー日記

1969年生まれで2000年に全日本シクロクロス選手権チャンピオン、その後に現役引退してから約10年。44歳から現役復帰した須藤むつみのBBA底力をお見せします!

NPO法人主催:自転車オフロード救急勉強会

どもです。

今日は夜から都内某所で、自分の主催・企画する「自転車オフロード救急勉強会」を実施するので、日中は準備とかでバタバタと。

勉強会が夜6時半受付、7時に講座スタートなので、ちょっと早めに自宅を出て、都内に出たついでに銀行などの要件を済ませ、軽く食事もしてから会場へ

会場についたら机などを講座用に並べ替えして、講師や関係者の到着を待つ。

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今回のコーディネーターの井上さんがAEDトレーナーキットやプロジェクターなど持ち込んでいただき設置。そのうち参加者も集まり予定どおりの夜7時から勉強会開始。

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これが今回、井上さんに手配いただいた「訓練専用のAED」。救命に使えない、トレーニング専用のAEDなんです。ほー。

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最初のパートは渡部救急救命士による、スライドを使った講義からスタート。事例や数字データによる説明はかなり分かりやすく、しかも相当な自転車イベントなどでの救急経験がある参加者からも「新たな事例が確認できて良かった」との声が。

自転車レースやイベントなど、アウトドアで倒れている人がいた場合、原因が大きく分けて2つが考えられるそうです。1つは持病が原因の「内因性」、そしてもう1つ、自転車の場合に多く考えられる「外因性」があり、その中でも重傷を考慮しなければいけないのが「高エネルギー外傷」といいます。この単語が今回の講座、そして今後の自転車大会においての救急体制における重要なキーワードとなる、と教えていただきました。なるほど!

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その「高エネルギー外傷」というのは、走行時に時速32km以上で発生したアクシデントについては、この高エネルギー外傷を疑うとのことです。たとえば時速40kmなら高さ6mから地面に墜落したのと同じ、非常に強い衝撃だそうです。

平成28年(2016年)のデータもスライドで紹介いただきました。自転車が関連する事故の負傷者は90,055人でそのうち死者は509人。毎日1人以上が自転車に関連する事故で亡くなっているということなのです。

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更に、事故によるケガの部所や死亡に至った原因部所を分析したデータがあり、歩行中、自転車乗車中、バイク乗車中、クルマ乗車中での比較をみるとヘルメット着用の必要性を改めて痛感しました。その中でも、自転車で死亡した人の59.7%が頭部損傷、7.9%が頸部(首)損傷によるものだそうです。頭と頸部による死亡が圧倒的に多いようです。一方、ケガの場合はトップは脚部、次が腕部で手足のケガが主に多いようです。

以上の状況から自転車事故での救急対応は、「頭部、頸部の負傷は一刻も早く救急車要請」、そして「腕部、脚部の負傷は命に別状ないので焦らないこと」という重要なポイントをご教授いただきました。

続けて、上記にもあった「頭部や頸部の負傷者搬送前の保護方法」をモデルを使って実技していただきました。

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まずは講師お2人による頚椎保護の方法をご教授。首のラインをニュートラルに保つ姿勢、ポジションを教えていただきながら、参加者の皆様にも実際に頸部を支えてもらいながら体勢をラクにする方法など、いくつかの方法も伝授いただきました。

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今回教えていただいて分かったことが、ヘルメットを装着したままの方が頭部と頸部をニュートラルにするポジションを保ちやすい、という点(ヘルメットの分だけ頭が程よく持ち上がるためらしいです)。意外な点ですが、こんなところでもヘルメットが役に立つのですね。

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あとオフロードの場合、シングルトラックの片側が崖だったりして、いち早く負傷者を運び出す必要があったり、足場が悪い箇所から負傷者を移動させる必要があるため、その場合の方法も教えていただきました。

後半のパートではAEDトレーニングキットを利用して、AED実技もおこないました。まずは講師のお手本を見せていただきます。同時に心臓マッサージのコツも教えていただきます。

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そしてAEDの装着と手順を実践。AEDはカバーを開けた時から使用ガイダンスが自動アナウンスで流れるので、落ち着いてガイダンスに従いながらパッド装着しつつ胸部圧迫を続ける、という手順を参加者の皆さんで実践いただきました。

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まとめとして、最後に一番重要なポイント「安全な大会を運営することによって、開催地元の方々から応援してもらえる大会に!」ということを、今後も伝えられるように実施を重ねていきたいと思います。

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ということで、記念すべき第1回の弊NPO法人主催の救急勉強会にご参加いただきました皆様、ありがとうございました!

でわでわ。